住宅ローン借り換えの手順、手数料

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住宅ローン借り換えの手順、手数料

住宅ローンは、借り入れ金額が大きい上に、返済期間が数十年に渡ります。どんな基準で判断すればよいか、不安になってしまいます・・・

世帯構成、働き方、お住いの地域などによって、最終的な判断は個別に異なります。

ここでは、ベースとなる考え方やデータをご案内します。

借り換え=住宅ローンを見直して、他社で組み直すこと

住宅ローンの借り換えとは、現在借り入れしている住宅ローンから、他の住宅ローンへ借り入れし直すことを指します。

通常は、より金利の低いローンに移行して、月々の返済額や総返済額を減らすことを目的とします。

近年、住宅ローンの変動金利が下がり続けていることから、住宅ローンの借り換えを検討する人が増えています。

ただし、以下のような組み換えはできません。

  • 財形住宅融資、公庫や自治体の住宅ローンへの借り換え。
  • 同じ金融機関の、他のローンへの借り換え。

その他に、個々の事情で借り換えの審査を通過できないこともあります。

住宅ローンを借り換えるタイミングは?

一般的に、以下の3つの条件を充たしたら、借り換えを検討するタイミングと言われています。

借り換えの3条件
  • 借り換えによって金利が1%以上下がる。
  • ローン残高が1000万円以上ある。
  • 返済期間が10年以上残っている。

このほかに、現在変動金利、もしくは短期間の固定金利で借り入れている人のほうが、借り換えの効果を得やすいです。

借り換えには手数料や諸費用がかかるため、それらを含めてもなお負担を軽減できるかが、判断のポイントになります。。

住宅ローン借り換えの手数料その他の費用

借り換えのときにかかる主な諸費用は、以下の通りです。

印紙税
借入額100万円超500万円以下
2千円
借入額500万円超1,000万円以下
1万円
借入額1,000万円超5,000万円以下
2万円
借入額5,000万円超1億円以下
6万円

ただし、ネット上で住宅ローンを契約する電子契約のときは無税。

事務手数料 金融機関による。定額のところと、借入額の数%というところがある。
保証料
  • フラット35では不要。
  • ネット銀行や銀行のネット・ローンでは無料多数。
  • 都市銀行・地方銀行などは金利に数%上乗せ。
全額繰り上げ返済手数料 もとの金融機関に支払う。金融機関ごとに取り扱いが異なる。
抵当権設定費用 新たに借り入れる金融機関の登記の費用。手数料に加えて、登録免許税と司法書士報酬もかかる。
抵当権抹消費用 もとの金融機関の登記を抹消する費用。
抹消での登録免許税は、土地・建物各1個あたり1000円。他に司法書士報酬もかかる。
保険料 金融機関によっては、団体信用生命保険料と火災保険料の保険料がかかる。

いくつかの金融機関の例をご覧ください。

イオン銀行の住宅ローン借り換え諸費用

2000万円を変動金利で20年借り入れるときの、借り換え諸費用です(2020年5月現在)。

ローン取扱手数料 定率型(借入れ金額の2.20%〔税込〕)か定額型(110,000円〔税込〕)を選択。
ただし、定額型を選ぶと、借入れ利率が定率型より年0.2%高くなる。
この例では、定率型44万円、定額型11万円。
保証料 0円(保証会社の利用なし)
団体信用生命保険料 0円(保険はある)
ただし、8疾病保障を付けると、金利は年0.3%高くなる。
抵当権設定費用 この例では、印紙税、登録免許税、司法書士報酬を合わせて約16万円。
その他(火災保険等) 90,000円

住信SBI銀行の住宅ローン借り換え諸費用

2000万円を変動金利で20年借り入れるときの、借り換え諸費用です(2020年5月現在)。

ローン取扱手数料 借入れ金額の2.20%〔税込〕
この例では44万円。
保証料 0円(保証会社の利用なし)
団体信用生命保険料 0円(団信+全疾病保障が付く)
抵当権設定・抹消費用 この例では、銀行の手数料、印紙税、登録免許税、司法書士報酬を合わせて202,000円。

りそな銀行の住宅ローン借り換え諸費用

2000万円を変動金利で20年借り入れるときの、借り換え諸費用です(2020年5月現在)。

保証会社事務取扱手数料 借入額に関係なく、1件33,000円(消費税等込)。
保証料 296,680円
団体信用生命保険料 0円
ただし、3大疾病保障特約を付けると年0.25%、団信革命にすると年0.3%金利上乗せ。
抵当権設定・抹消費用 この例では、印紙税、登録免許税、司法書士報酬を合わせて150,000円。

借り換えの金利は、新規借り入れの金利とは異なる

住宅ローン借り換えの金利は、新規借り入れの金利とは別に設定されています。

もちろん、金利のタイプによって利率は異なります。

ご参考までに、上の3つの銀行の金利を掲載します(2020年5月現在)。

イオン銀行の住宅ローン借り換え金利

固定金利期間は、例として3年、5年、10年を記載していますが、他の設定も可能です。

新規借り入れ金利は、例として2つだけ載せています。

タイプ 金利
3年固定 0.43%
5年固定 0.55%
10年固定(借り換え) 0.57%
10年固定(新規) 0.47%
変動(借り換え) 0.57%
変動(新規) 0.52%

8疾病保障を付けると、上表の金利に、0.3%上乗せされます。

住信SBI銀行の住宅ローン借り換え金利

固定金利期間は、例として3年、5年、10年を記載していますが、他の設定も可能です。

新規借り入れ金利は、例として2つだけ載せています。

タイプ 金利
3年固定 0.62%
5年固定 0.66%
10年固定(借り換え) 0.71%
10年固定(新規) 0.71%
変動(借り換え) 0.428%
変動(新規) 0.457%

りそな銀行の住宅ローン借り換え金利

固定金利期間は、例として3年、5年、10年を記載していますが、他の設定も可能です。

新規借り入れ金利は、例として2つだけ載せています。

タイプ 金利
3年固定 0.954%
5年固定 1.004%
10年固定(借り換え) 0.645%
10年固定(新規) 0.645%
変動(借り換え) 0.429%
変動(新規) 0.470%

借り換え金利は、WEB申込限定プランの数値です。

新規借り入れ金利は、どちらも「融資手数料型」の利率です。

住宅ローン借り換えの手順

借り換えの手続きは、一般的には、次のように進みます。

借り換え相談(必要に応じて)
 
借り換え先の選定
 
事前審査
(申込→審査)
 
本審査
(申込→審査)
 
旧ローン全額繰り上げ返済申し入れ
 
新ローン契約
 
新ローンの融資実行
 
全額繰り上げ返済
抵当権の登記変更

新規の借り入れと似ていますが、背景がピンク色のステップが加わります。

なお、最後の2ステップ(「新ローンの融資実行」「全額繰り上げ返済・抵当権の登記変更」)は、原則として同じ日におこなわれます。

住宅ローン借り換えでの必要書類と注意点

借り換え相談の必要書類と、借り換え申込後の審査での必要書類に分けて、解説します。

借り換え相談のシミュレーションや診断に必要な書類

借り換えをするときは、まず、金融機関やファイナンシャル・プランナーなどに相談して、まちがいのない判断をしたいです。

相談を申し込むと、先方から持参して欲しい書類を指示されます。たとえば、次のようなものです。

  • 源泉徴収票・給与明細など(年収や勤務先がわかる書類)
  • 現在のローンの返済予定表
  • 自宅の物件についての書類(不動産登記簿謄本、購入時の売買契約書・重要事項説明書など)

具体的な資料を持参すれば、実際に近い借り換え後の返済シミュレーションをやり、診断してくれます。

審査の必要書類

金融機関によって多少違いはあります。ここでは、おおむね共通するものをご案内します。

ただし、金融機関から受け取った用紙に記入・押印して提出するもの(申込書・同意書など)は、省いています。

対象 必要書類
全員共通
  • 住民票原本
  • 健康保険証コピー(両面)
  • 運転免許証コピー(両面)
  • 物件の情報(物件販売チラシ、見積り書や間取り図、土地の公図など)
会社員、公務員 源泉徴収票コピー(前年分)
自営業者、フリーランス等
  • 確定申告書および付表(ともに直近3年分)
  • 所得税納税証明書
法人の代表者
  • 源泉徴収票(直近3年分)
  • 確定申告書および付表(ともに直近3年分)
  • 法人の決算報告書(前3期分・科目明細付など)
他にローンの借り入れがある人 その借り入れの償還予定表や残高証明書
住宅ローン借り換えの人
  • 現在の借り入れの償還予定表や残高証明書
  • 現在の借り入れの返済口座通帳1年分

表内で(両面)としているものは、裏書きがなくとも、裏面のコピーが求められます。ご注意ください。

住宅ローン借り換えについての、よくある疑問

住宅ローン借り換えについてのよくある疑問点を、Q&A形式で説明します。


残高が少なくなりましたが、低金利のローンがあれば、借り換えるべきですか?

借り換えには手数料などの費用がかかります。そのため、金利が低くても、残高が少なかったり、残り期間が短いと、返済額を減らせないことがあります。

まずは、金融機関などが提供している返済シミュレーション機能を使って、減額できるか確認してください。


借り換えの審査で、とくに注意したほうが良いことはありますか?

借り換えの審査は、新規借り入れのときと同じように進められます。

ただ、新規のときに通ったからと言って、借り換えでも通るとはかぎません。

新規のときより借入額はそのものは減りますが、それ以外の変化が、審査に思わぬ影響を及ぼすことがあります。

詳しいことは住宅ローンの借り換え 審査の注意点をご覧ください。


車のローンを返済していますが、住宅ローンの借り換えに影響がありますが?

車のローンがあるだけでは不利になりませんが、審査の判定には影響します。

金融機関が融資をするか審査するときに、返済負担率をチェックされます。返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合のことです。

このときの年間返済額は、住宅ローンだけでなく、すべての返済額の合計です。当然、車のローンも合算されます。


現在のローン返済に使っている通帳の提出を求められることはありますか?

金融機関によっては、もとのローンの通帳のコピーも求められます。

もしその銀行口座を返済以外にも使っていて、第三者に見られたくない入出金があるときは、その部分を黒塗りにしても問題ありません。

過去数ヵ月、返済がスムーズに進んでいること示せれば、目的を果たすことができます。

借り換えをしたときの年末調整で気をつけることは?

住宅ローンを新規で借り入れたときは、初めの年に確定申告をする必要がありました。

それに対して、借り換えたときは、あらためて確定申告をおこなう必要はありません。

ただし、以下のような注意点があります。

年末調整の注意点
  • 借り換えで返済期間10年未満になったら、住宅ローン控除を受けられなくなる。
  • 借り換えで返済期間がのびても、控除される期間は借り換え前のまま。
  • 借り換えによりローン残高が増えたときは、控除対象額の計算に注意が必要。

3つ目の控除対象額は、次の式で計算し直す必要があります。

ローン年末残高
×
借り換え前残高
÷
借り換えの借入額

ちなみに、借り換えによってローン残高が減ったときは、前年と同じやり方で年末調整します。

控除対象額を、借り換え後の新しいローン残高に置き換えるだけです。

まとめ

このページでは、住宅ローンの借り換えについて、基本的なことを解説しました。

他のページでは、より実践につながるノウハウなどもお伝えしています。よろしければご一読ください。