フラット35とは?その審査、金利、メリット

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フラット35とは?その特徴(審査・金利・団信)を解説

フラット35は、一般の銀行や信用金庫で取り扱っていますよね。でも、金融機関のローンではないのですか?

フラット35を運営しているのは住宅金融支援機構ですが、窓口は民間の金融機関です。

どこで申し込んでも借りられる条件は同じですが、金利や手数料は金融機関によって異なります

そんなフラット35の特徴を、以下で解説します。

フラット35のシェア

フラット35は、国が100%出資する住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する住宅ローンです。

民間金融機関の住宅ローンでは手薄になりやすい、超長期固定金利のローンや、返済のリスクがある方への貸付などを手がけています。

そんなフラット35の最近3年間のシェアは、次のとおりです。

期間 住宅ローンでの
件数シェア
2016年前半 8.52%
2016年後半 9.20%
2017年前半 5.93%
2017年後半 7.25%
2018年前半 11.00%
2018年後半 8.73%

住宅金融支援機構によるインターネット調査「民間住宅ローン利用者の実態調査」をもとに算出した、件数ベースのシェアです。

年によって変動はありますが、だいたい10%弱の人たちが、フラット35を利用しているのですね。

フラット35と民間ローンとの違いは?

フラット35と、一般的な民間の住宅ローンとの違いを、一覧表にまとめました。

項目 フラット35 民間ローン
金利 全期間固定金利
  • 変動金利
  • 固定期間選択型金利
  • 全期間固定金利
審査の特徴
  • 住宅の技術基準もチェック対象
  • 借りる人の条件(勤続年数、勤務先、自営業)は、銀行等よりゆるやか
金融機関による
融資額 原則物件価格の9割まで 物件価格10割と諸費用分まで
団体信用生命保険 標準で組み込まれる 必須が多数派。
手数料
  • 借入時の手数料は窓口の金融機関による
  • 保証料はゼロ
  • 繰り上げ返済手数料は無料
金融機関による

かつて、フラット35では、団体信用生命保険は任意加入でした。しかし、2017年10月に制度変更があり、現在では団信が標準で組み込まれています。

とくに重要と思われる項目について、以下で補足説明しています。

フラット35の審査は、“人”に対する条件がゆるやか

フラット35を提供する住宅金融支援機構は、一般の金融機関を支援・補完して、住宅建設の面から、国民生活の安定と社会福祉の増進させることを目指しています。

そのため、民間の住宅ローンなら、書類選考で弾かれそうな以下の人たちでも、融資の対象になります。

  • 勤続年数が短い人(1年未満)
  • 健康状態に不安がある人
  • 産休または育休で、仕事を休んでいる女性

もちろん、返済できることを確認するため、給与明細や通帳などのコピー提出を求められる可能性はあります。

また、民間ローンでの不利に扱われることが多い自営業者の方も、審査に通りやすい傾向が見受けられます。

フラット35には、団体信用生命保険が標準で組み込まれています。

ただし、健康状態に不安がある人は、団体信用生命保険を外すことができます。それにより、金利も低くなります。

保険無しでお金を借りると、万が一契約者が亡くなったら、遺族が返済を引き継ぐことになります。

フラット35の金利

フラット35の金利は、全期間固定金利です。

全期間固定金利は、借り手にとっては返済計画を立てやすい点が魅力です。

本来、金利はそのときどきの景気によって変動するものなので、数十年単位の固定金利は、民間金融機関にとってリスクがあります。

そのため、民間金融機関が提供するローンは、変動金利と固定金利期間選択型金利が主力です。超長期固定金利もありますが、かなり手薄です。

その手薄なところを補完するのが、フラット35です。

具体的な金利は、各金融機関が決める

フラット35の具体的な金利は窓口となる金融機関が、それぞれ決めています。

たいてい、その金融機関の変動金利や固定金利期間選択型金利の当初の金利より、高く設定されています。

フラット35S、子育て支援型など、割引の仕組みがある

フラット35独特の割引制度がいくつかあります。

フラット35S 省エネルギー性、耐震性など質の高い住宅に対し、当初5年間または10年間の借入金利を、年0.25%引き下げる制度。
子育て支援型 当初5年間の借入金利を年0.25%引き下げる制度。
地方公共団体が住宅金融支援機構と連携している場合に利用できる。
地域活性化型 UIJターンなどで一定の条件を充たすと、当初5年間の借入金利が年0.25%引き下げられる。
地方公共団体が住宅金融支援機構と連携している場合に利用できる。
フラット35の金利の特徴
  • すべて全期間固定金利
  • 金利は、金利は窓口となる金融機関によって異なる。
  • 変動金利や固定金利期間選択型金利より高い。
  • フラット35sなどの割引制度がある。

フラット35の利用条件

フラット35の利用条件(最低限の条件)は、下表のとおりです。

年齢 申し込み時の年齢が満70歳未満
年収 400万円未満 年間合計返済額は年収の30%以下
400万円以上 年間合計返済額は年収の35%以下
借入額 100万円以上8000万円以下
借入期間 15年〜35年。ただし、完済時の年齢が80歳を超えられない。
住宅の技術基準 住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合する住宅
住宅の床面積 一戸建て 70m2以上
マンション 30m2以上

審査での物件検査と適合証明

フラット35は、借り入れを希望する人の審査基準は、民間ローンよりゆるめです。

そのかわり、建設または購入する住宅が、住宅金融支援機構の基準に適合しているかの物件検査があります。

フラット35の審査は、民間の住宅ローンと同じ流れで進められますが、同時変更で物件検査もおこなわれます。

機構が指定する、あるいは機構に登録している検査機関により検査を受けて、適合証明書を発行してもらう必要があります。

適合証明書の取得・提出も、融資の前提条件です。

フラット35には「保証型」という亜種もある

実は、フラット35には2つのタイプがあります。「買取型」と「保証型」です。

上での説明はすべて「買取型」についてのもので、こちらが世間一般に主流です。とくに断りなくフラット35と言われたら、「買取型」のことと考えてください。

「買取型」と「保証型」とでは、金融機関と住宅金融支援機構の役割分担が異なりますが、そうした仕組みの違いは一般消費者には関わりありません

借り入れを検討している方々に意識していただきたいのは、次の点です。

「保証型」の特徴
  • 金利・手数料が金融機関によって異なるのは「買取型」と同じ。
  • 「保証型」は住宅ローンの商品内容を、金融機関が独自に決められる。
  • 「保証型」について、住宅金融支援機構に問い合わせても、原則として対応してもらえない。
  • 新規受付を行っている金融機関は7機関のみ。

ちなみに、2020年5月現在、「保証型」の新規受付をおこなっている金融機関は以下の7つです。

  • 日本住宅ローン
  • アルヒ
  • 財形住宅金融
  • 広島銀行
  • クレディセゾン
  • 住信SBIネット銀行
  • 愛媛銀行

「買取型」という標準仕様と異なるフラット35を、金融機関があえて提供しているのが「保証型」です。

それだけに、独自のメリットを期待できます。ぜひチェックしてください。