住宅ローンとは?審査・金利・返済・保証・商品を解説

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初心者向けに、住宅ローンのことをわかりやすく解説

住宅ローンは、借り入れ金額が大きい上に、返済期間が数十年に渡ります。どんな基準で判断すればよいか、不安になってしまいます・・・

世帯構成、働き方、お住いの地域などによって、最終的な判断は個別に異なります。

ここでは、ベースとなる考え方やデータをご案内します。

住宅ローンとは?わかりやすく図解

住宅ローンの仕組み、登場人物(不動産会社、金融機関等)、それぞれの役割を、図にわかりやすくまとめました。

住宅ローンの仕組みをわかりやすく図解

おもな登場人物にしぼりましたが、それでも5機関と複雑になりました。

それぞれの機関の役割などを、補足します。

金融機関

お金を借り入れるとき、直接の窓口になるのが金融機関です。自社のローンだけでなく、提携している他機関のローンも提供しています。

都市銀行、地方銀行、第二地方銀行、ネット銀行、信託銀行などが取り扱っています。

保証会社

万が一、わたしたちが返済できなくなったときに、保証会社が変わりに返済してくれます。その見返りとして、わたしたちは保証会社に保証料を支払います。

ただし、それによって、わたしたちの返済義務が消滅するわけではありません。銀行ではなく、保証会社に返済しなければならなくなります。

保証会社は、金融機関の子会社であることが多いです。

生命保険会社

住宅ローンで借りるときに、たいてい団体信用生命保険(団信)への加入が条件になっています。

住宅ローン返済中に、借りた人が亡くなるなどしたら、団信から保険金が金融機関に支払われて、ローンは消滅します(返済終了)。

保険の契約者=保険料負担者は金融機関ですお金を借りた人は、被保険者になります。

住宅金融支援機構

金融機関は、自社のローンの他に、他の機関との提携による住宅ローンも提供しています。その代表が、住宅金融支援機構と提携して提供する「フラット35」や、その兄弟商品の「フラット20」「フラット50」等です。

住宅金融支援機構は、資本金全額政府出資の、公共性の強い組織です。

なお、フラット35を利用しないときは、住宅金融支援機構は外れます。

また、保証や団体信用保険をどうするかは、異なる取り扱いになることがあります。

住宅ローンは大きく3種類ある

どこが運営しているかで住宅ローンを分類すると、大きく3つに分けられます。

銀行等の民間ローン
金利は、変動金利型、固定金利期間選択型(初めの数年間は固定金利で、その後変動金利になる)、全期間固定金利型から選べる。
フラット35等
  • 住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供。
  • 完全固定金利。
財形住宅融資
  • 一般財形貯蓄・財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄のいずれかを1年以上行い、貯蓄残高が50万円以上あるなどの条件を満たす人が利用できる公的住宅融資。
  • 5年固定金利。

住宅ローンの審査

ここでは、➀審査の流れ➁主な審査項目➁審査の必要書類を説明します。

住宅ローンの審査の流れ

一般的には、次のように進みます。

事前申し込み
2日~1週間
程度
事前審査
 
正式申し込み
1~2週間
程度
本審査
 
住宅ローン契約
 
借入
(物件引き渡し時)

事前審査と本審査で、3週間以上を見込んでおきましょう。

主な審査項目

審査項目は金融機関によって異なります。

国土交通省「民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書(令和元年度)」によると、多くの金融機関で採用されている審査項目は、次のとおりです。

90%以上の金融機関
  •  1位 完済時年齢
  •  2位 健康状態
  •  3位 担保評価
  •  4位 借入時年齢
  •  5位 年収
  •  6位 勤続年数
  •  7位 連帯保証
  •  8位 金融機関の営業エリア
60%以上の金融機関
  •  9位 返済負担率
  • 10位 融資可能額(購入の場合)
  • 11位 雇用形態
  • 12位 融資可能額(借換の場合)
  • 13位 国籍
  • 14位 他の債務や返済履歴

審査の必要書類

金融機関によって多少違いはあります。ここでは、おおむね共通するものをご案内します。

対象 必要書類
全員共通
  • 住宅ローン借入申込書(各金融機関の所定の用紙)
  • 印鑑(認印も可)
  • 本人確認資できるもの(運転免許証、健康保険被保険者証、パスポートなど)
  • 物件の情報(物件販売チラシ、見積り書や間取り図、土地の公図など)
会社員、公務員 源泉徴収票(前年分)
自営業者、フリーランス等 確定申告書および付表(ともに直近3年分)
法人の代表者
  • 源泉徴収票(直近3年分)
  • 確定申告書および付表(ともに直近3年分)
  • 法人の決算報告書(前3期分・科目明細付など)
他にローンの借り入れがある人 その借り入れの償還予定表や残高証明書
住宅ローン借り換えの人
  • 現在の借り入れの償還予定表や残高証明書
  • 現在の借り入れの返済口座通帳1年分

住宅ローンの金利

%の大小とは別に、金利には3つの種類があります。

それぞれの仕組みとメリット・デメリットを整理しました。

(全期間)固定金利型

全期間の金利が、借り入れの時点で確定します。ということは、毎月の返済額や総返済額も確定します。

住宅ローンの(全期間)固定金利型
メリット デメリット
  • 将来の家計の見通しがしやすい。
  • 金利が上がる不安を感じない。
  • スタート時点の金利は、他の型より高い。
  • 市場金利が下がっても、下がらない。

現在は超低金利なので、長い目で見ると、市場金利がもっと下がって、悔しい思いをするリスクは低いかもですね。

将来、住宅ローンの借り換えをする予定がない人には、この型が向いています。

変動金利型

金利は、年に2回(4月と10月)見直されます。

ただし、毎月返済額はその都度の見直されるわけではなく、返済額の見直しは5年ごとです。

なお、見直しの幅には上限が設けられており、直前の返済額の1.25倍より増加することはありません。

住宅ローンの変動金利型
メリット デメリット
  • スタート時点の金利は、他の型より低い。
  • 今後金利が下がれば、返済額は減る。
  • 今後金利が上がれば、返済額は増える。
  • 将来の家計の見通しが狂うリスクがある。

現在は超低金利なので、長い目で見ると、市場金利は上がる可能性が高いです。スタート時点で、すでに負担感を感じるような借り方は危険です。

早い時期に、繰り上げ返済をする計画がある方に、変動金利型は向いています。

固定金利期間選択型

固定金利でスタートしますが、一定期間(3年、5年、7年、10年、15年など)ごとに、固定金利か変動金利かを選択できます。

実際の利率は、それぞれの時点の金利が適用されます。

住宅ローンの固定金利期間選択型
メリット デメリット
  • スタート時点の金利は、固定金利型より低い。
  • 当面の返済計画を立てやすい。
  • スタート時点の金利は、変動金利型より高い。
  • 長期的に、家計の見通しが狂うリスクがある。
固定金利期間選択型は「返済額を少しでも安く始めたいけれど、これから数年は教育費がかさむから、安定志向が望ましい」というような方に向いています。

住宅ローンの返済方法

住宅ローンの返済方法(返済額の決め方、計算方法)には、元利均等返済と元金均等返済があります。

元利均等返済

毎月の返済額が一定となる返済方法です。わかりやすさ、計画のたて安さが特徴です。

元利均等返済のイメージ

もっとも、返済額を一定に保つために、内部では多少複雑な計算がおこなわれています。

メリット デメリット
  • 返済計画が立てやすい。
  • 返済開始当初の返済額は、元金均等返済より安い。
  • 同じ借入期間の場合、元金均等返済よりも総返済額が多くなる。
  • 借入金残高の減り方が遅い。
元利均等返済は、わかりやすく、計画を立てやすいかわりに、返済する金額は大きくなるのですね・・・

元金均等返済

毎月の返済額のうち、元金部分は一定ですが、利息部分はだんだん少なくなります。

元金均等返済のイメージ

利息は債務残高に対してかかるので、返済が進むにつれて利息が減るのは、実は自然なことです。

メリット デメリット
  • 返済額がだんだん減っていく。
  • 元利均等返済よりも、総返済額は少なくなる。
  • 同じ借入期間の場合、元金均等返済よりも総返済額が多くなる。
  • 返済当初の返済額がもっとも高くなるので、若い人は選びにくい。

総返済額が少ないのと、老後の返済額が小さくなるのは魅力ですね。

問題は、返済開始時点で、負担できるようなプランができるか・・・ですね。

返済方法の仕組みは、検討段階から理解していただきたいですが、最終的な決断は、返済予定表を見比べて、現実的な方を選んでください。

住宅ローンの保証

住宅ローンを借りる際に、原則として、保証人を用意する必要はありません。

そのかわりに、金融機関が指定する保証会社と契約して、保証人になってもらう必要があります。

保証会社とは

大手の銀行なら、たいてい子会社に保証会社があります。

系列の保証会社が無い金融機関であれば(地方銀行、信用金庫など)、独立系の保証会社と提携関係にあります。

保証のしくみ

保証会社に保証人になってもらう対価として、こちらは次の2つを受け入れなければなりません。

  • 借り入れ対象の住宅に、保証会社が抵当権(第一順位)を設定することを受け入れる。
  • 保証料を保証会社に支払う。
保証会社による保証のしくみ(住宅ローン)

もしわたしたちが返済できなくなったら、保証会社がかわりに債務残高を一括して返済します。この一括返済を代位弁済(だいいべんさい)といいます。

代位弁済の結果、わたしたちは、これまでの金融機関から変わって、保証会社に返済する義務を負います。

保証会社に返済できない場合、保証会社は、抵当権をもとに住宅を処分することができます。

保証料の支払い方法は2通り

保証料の支払い方法は、次の2通りあります。

  • 住宅ローンを借りる際に、一括で支払う。
  • 借入金利に上乗せして、毎月支払う(分割払い)。

一括で支払うほうが、総額は安くなります。

住宅ローンの借り換え

住宅ローンの借り換えとは、返済額を減らすなどの目的で、別の住宅ローンに切り替えることです。

2016年に日本銀行がマイナス金利政策を導入して以来、住宅ローンの金利はこれまでになく低くなっています。

そのため、借り換えを検討する人、借り換えを売り込む金融機関とも、多くなっています。

メリット
  • 返済額を減らすことができる。
  • 変動金利から固定金利に変更できる。
  • リフォームのためのローンを、一緒に借りられる。
デメリット
  • 手数料などの諸費用がかかる。
  • 住宅ローンを新規に組むときと同じような手続きがある。

一般的に、以下の3つの条件を充たしたら、借り換えをするメリットがある(返済額を減らせる)と言われています。

借り換えの3条件
  • 借り換えによって金利が1%以上下がる。
  • ローン残高が1000万円以上ある。
  • 返済期間が10年以上残っている。

まとめ

以上、初心者の方を想定して、住宅ローンについて、広く浅く解説しました。

他のページでは、より実践につながるノウハウなどもお伝えしています。よろしければご一読ください。